【暗闇の話】


 

昔、お坊さんが4人、夜の田舎道を歩いていました。

 

老師と呼ばれる偉いお坊さまと、その弟子が3人。

4人は夜の田舎道を、提灯の灯り一つで歩いていました。

 

突然、フッと風が吹き、提灯の灯りが消えてしまいます。

 

夜の田舎道、街灯などありませんでしたので、4人は1メートル先も見えないような、真っ暗な暗闇に包まれてしまいました。

 

すると老師がこう言いました。

 

お前たちはこの闇に何を見るか?

 

お前たちはこの暗闇に何を見るか? 老師は3人の弟子に尋ねました。『ああ、老師がまた難しい問題を出していらっしゃる…考えねば! 』と、3人は一生懸命、自分なりの答えを考えました。

 

まず一番目の弟子が答えたのは、

 

「老師、私はこの暗闇の先に、大きく輝く翼を広げて飛びたとうとする、大怪鳥が見えます!

 

なるほど。まだまだ

 

次に2番目の弟子が答えました、

 

「老師、私はこの暗闇の先に、鉄で出来た大蛇が横たわり、今にも襲ってこようとしているのが見えます!

 

なるほど。まだまだ

 

最後に3番目の弟子に、老師が尋ねました。

 

お前はこの暗闇に何を見るか?

 

3番目の弟子が答えたのは、

 

「老師、私は足元を見ます

 

 

この話が何を表しているのかと言うと、この「暗闇」とは、私たちの「未来」を表しているのです。

 

一寸先は闇と言いますが、先の見えない未来、これを暗闇に例えているのです。

 

普段生活していて、ある時、突然、フッと未来にとらわれてしまう瞬間がある。この先の見えない未来、暗闇が現れた時、お前たちは何を見るか?と、老師は弟子たちに尋ねたのです。

 

1番目と2番目の弟子は、暗闇の先、未来に、化け物を見てしまいます。未来に対する妄想。先の見えない不安、苦しみ、困難が待ち受けているんじゃないだろうかという怖れ、それらの考えが2人に怪鳥や鉄の大蛇など、化け物を見せてしまったのです。

 

しかし3番目の弟子が答えたのは、足元を見る。

 

暗闇に包まれたのは仕方ない。

見えないものは見えない。

 

しかし、まずは自分の足元を確認する

 

暗闇の中、ヘタに動き回ると転んでしまうかもしれない。まずは自分が今、確かにこの大地に立っていると確認する。未来は見えないが確かに自分を支えてくれているもの達がいると確認する。家族であったり、仲間であったり、友達や、自分の経験、職場、お寺、そういうものに支えられ、自分は今、確かにここに立っていると確認する。

 

先の見えない暗闇に包まれても、化け物を見る必要はないのです。

 

まずは立ち止まり、自分と言うものを確認しましょう。

 

自分を支えてくれているものを確認しましょう。

 

 

暗闇の先に 化け物を見そうになったら 看脚下(きゃっかをみよ)」

 

 

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